薄さ0.02mm
タイトルを見てこいつコンドームでも買いに行ったんか?と思った諸君は考えを改めていただきたい。
今日外に出たのは昼ご飯を買いにコンビニに行った時だけでござい。
平日の昼間、近くのコンビニにはおばちゃんと昼飯を買いに来た作業服の野郎しかいない。
だからこそ気兼ねなく買い物も出来るもので。
初めて行ったスターバックスで友達の後ろに隠れ、ビクビクしながらコーヒーを頼んだ不審な男の姿はそこにはない。
自転車を停める。ニートになってから乗る回数が増えた。外は少し肌寒い。
店内に入る。いつもの空気。
お~いお茶濃い味を手に取る。こいつに出会ってからはノーマルの味は飲めない。
ペペロンチーノを手に取りレジに向かう。ここまで迷いはない。エロ本すら目に入らない。
ここで気づく。平和ボケしすぎたか。店内の違和感に今まで気づかなかった。
俺はコミュ障であって周りの空気の流れに敏感でなければならない。ちょっとした変化があるとその変化に向けて対策を立てなければならない。
しかし今回はその変化に直前で気づいてしまった。対処のしようがない。
今から引き返すか?
ダメだ、店内に入って商品を取りここに来るまで勢いよく来すぎた。
もう無理だ!引き返せない…!!
店員が可愛いいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
誰だよあれ!あんな人見たことねぇぞ!ん?研修中?そらみたことねぇや!!!
こんな感じで精算してました。精子も生産してました。
おばちゃん店員と思ってレジに行ったもんだからあんな可愛い子だったら反動で持ってるお茶を握りつぶすわボケ!
意味の分からない怒りを誰かにぶつけながら心の中は狂喜乱舞。
お釣りを渡される時の手と手の距離は0.02mm
顔は平静を装い、心はざわつかせ店を出る。
明日もまた来よう。そう思い自転車に跨る。
カーディガンがあるからガルパンのTシャツもカモフラージュ出来る。
飽きがこない商品をカゴに乗せ秋の道を走る。あの子に空きはあるだろうか。